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『自省録』

仕事の行き帰りの電車・バスの中で本を読んでいます。最近は専ら古典です。仕事帰りに古典を読んでいたら、その日一日ゴチャゴチャ考えていたことの答えが見つかる時があって、結構楽しいですね。

 

今は「自省録」(マルクス・アウレーリウス)の訳本を読んでいます。

 

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

 

 

マルクス(121~180年)はローマの皇帝であり、この本はマルクスの備忘録(!?)を訳したものです。備忘録というか、思索したことを書き連ねたメモ書きです。人に見せることを想定されずに書かれているため、本としては構成が整っておらず、難解な文章が多いです。

 

それでも、いまだにずっと読み継がれている古典です。

 

マルクスがいかに純粋な気持ちで生きていたのかが伺えます。僕はこの本を読んで、皇帝に対するイメージが変わりました。

 

本書の所々に、「死ぬこと」について出てきます。「目に見えるものは何もかも変化していくから、死とは自然なもので、自分の体の元素が分解され、また元の自然に帰っていくだけのことなんだ」みたいな記述が頻繁に出てきます。僕は最初、マルクスが死を恐れていて、自分に言い聞かせているのかと思いました。

 

でも、もう一つの仮説が思い浮かびました。マルクスは、子どもが小さいうちに亡くなっているのです。もしかしたら、自分の子どもの死に対する、マルクスの葛藤や気持ちの整理の痕跡なのかもしれないと思いました。

 

僕が気に入った言葉をいくつか引用して紹介します。

 

・友人が抗議を申込んで来たならば、たとえそれがいわれなき抗議であろうともこれを軽視せずに、彼を平生の友好関係にひきもどずべく試みること。

 

・もっとも長命の者も、もっとも早死する者も、失うものは同じであるということ。なぜならば人が失いうるものは現在だけなのである。

 

・あたかも一万年も生きるかのように行動するな。不可避のものが君の上にかかっている。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。

 

・社会を損なう者にたいして腹を立てるべきではない。「彼はなにを見あやまったのだろう」と問うべきである。

 

・もっともよい復讐の方法は自分まで同じような行為をしないことだ。

 

・善事をなして悪くいわれるのは王者らしいことだ

 

・自分に起こることのみ、運命の糸が自分に織りなしてくれることのみを愛せよ。それよりも君にふさわしいことがありえようか。